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消費税を少なく納税するには!?

皆さん消費税はどのように計算していますか?

ご自身で計算している方は、

「よくわからないけど、ソフトが勝手に計算してくれている。」

と答える方が一番多いかと思います。

果たしてその計算方法で良いのでしょうか?

もしかしたら別の計算方法の方が「消費税」の納税額を少なくできるかもしれません。

そんな消費税の計算方法について今回は解説していきます。

*この記事は、年間売上高5,000万円以下の中小企業・個人事業主で、税込経理を行っている方を対象にしています。また、2割特例を適用できない場合を想定しています。

目次

原則課税

消費税の計算方法は2つあります。
1つ目は「原則課税」と呼ばれる計算方法です。

内容

原則課税の計算式は下記になります。

「課税売上げに係る消費税額」-「課税仕入れ等に係る消費税額」=「消費税額」
*消費税の仕組みより抜粋

ちょっとわかりにくいですね。
かみ砕くと、

「売上に含まれている消費税」から、「仕入れ等に含まれている消費税」を引いて、残った差額を納めますよ!ということです。
この「仕入れ等に含まれている消費税」ですが、仕入れと記載がありますが、仕入れだけでなく、消費税が含まれている経費も含まれています。
仕入れという文字で誤解しそうですが、お気をつけください。

余談ですが、今までご自身で申告されていた方からご依頼を受けた際に、今まで消費税は売上に対する消費税の全額を納めていたという方がいらっしゃいました。
とんでもない金額の消費税でした。。。

メリット

特にないですね。。。
後ほど記載している簡易課税という計算方法よりも、原則課税の方が納付すべき消費税が少ないようであれば原則課税にするといった感覚です。

多額の設備投資等をして引く方の消費税が多ければ、その分消費税が戻ってくるので、その場合は原則課税の申告をしてもいいかもしれませんが、事前のシミュレーションが必要かと思います。
そのような場合は税理士にご依頼ください。

デメリット

仕入等(経費を含む)に含まれている消費税を正しく会計ソフトに入力する必要があります!
どういうことかというと、支払った経費の中には、消費税が10%や8%あるいは消費税がかかっていないものがあります。

それらを正しく会計ソフトに入力しないと、正しく消費税が計算されません。さらに令和5年10月1日から始まったインボイス制度により、レシートや領収書などで登録番号が記載されているか(インボイスに相手が登録されているか)確認し、登録されていない場合は登録されていない経費ということを正しく会計ソフトに入力しなければいけなくなりました。

めちゃくちゃ煩雑になってしまったのです。

そのため、原則課税を選択すると会計処理に時間がかかる上に、ミスが発生する可能性が高くなったのです。

簡易課税

ここからは特例による計算方法「簡易課税」です。

内容

簡易課税制度は、「課税売上げに係る消費税額」をもとに「課税仕入れ等に係る消費税額」を計算します。
具体的には、「課税売上げに係る消費税額」に、事業の種類の区分(事業区分)に応じて定められたみなし仕入率を乗じて算出した金額を「課税仕入れ等に係る消費税額」として、納付すべき消費税額を計算します。
事業区分は6種類あり、みなし仕入率は90%~40%です。
簡易課税制度より抜粋

わかりにくいので、下記具体例で確認してみましょう。
*厳密には少し計算方法が違うのですが、わかりやすくイメージできるように簡略化しています。

前提
経営コンサルタントなどのサービス業で
年間売上高12,000,000円(税込)の場合
①課税売上げに係る消費税額→12,000,000円×10/110=1,090,909円
②課税仕入れ等に係る消費税額→①×50%(みなし仕入率)=545,454円
③納税額①-②=545,455円

経営コンサルタントなどのサービス業の場合、あまり経費が発生していないと思います。
そのため、原則課税で計算するよりも簡易課税で計算した方がお得になる可能性の方が高いです。

手続き

簡易課税で計算するには手続きが必要です。

簡易課税制度の適用を受けようとする事業者は、その課税期間の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することにより、簡易課税制度を選択することができます。

簡易課税を選択したい事業年度(年)が始まる前に、事前に届出が必要ということになります。
そのため、後になって簡易課税の方が有利だからといって、簡易課税を選択することはできません。
また、簡易課税は基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が5,000万円以下でないと利用できません。
簡易課税制度より抜粋

メリット

簡易課税で計算した方が、原則課税より消費税の納税額が少なくなることがあります。
また、仕入等(経費を含む)に含まれている消費税を正しく会計ソフトに入力する必要がありません!
仮に入力が間違っていたとしても、消費税の計算は売上に対する消費税をもとに計算しているので影響がないのです。

デメリット

事前に届出が必要なことはデメリットですね。
また、簡易課税は2年間継続適用しなければなりません。
そのため、事業形態が変わる可能性があるなど、仕入等(経費を含む)が大幅に増える場合は事前に入念なシミュレーションが必要になります。

まとめ

消費税の計算方法は2つあり、自社の事業内容に応じて有利な方法で納税することができます。
ただ、事前にシミュレーションをする必要がありますので、慎重にご検討ください。
よくわからなかったという方は税理士にご依頼いただければと思います。
ご状況に応じて、最善の計算方法で消費税を計算してくれるはずです。

髙野正義税理士事務所
神奈川県横浜市戸塚区南舞岡3-8-1-2
https://takanozeirishi.com
小規模事業者専門の30代税理士

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