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青色申告の特典(法人編)

今回は青色申告の特典(メリット)について記載します。

皆さん青色申告という言葉は聞いたことがあるかと思います。

意味はわからないけど、青色申告で確定申告をしておけば問題ないでしょ!という感覚で青色申告をしている会社もあるかもしれません。

税理士が関与している会社に関しては、税理士が青色申告で申告しているので、青色申告の特典の内容を知らなくても問題ないというケースもあるかと思います。

このように軽く捉えられがちな青色申告ですが、実は青色申告をすることによって得られる特典が大きく分けて5つああります。

*この記事の内容は、会社の資本金が1億円以下で、株主の中に資本金が1億円を超える会社がなく、従業員が500名以下で、過去3年間の所得金額の平均額が年15億円以下の会社を対象にしています。
一般的な中小企業が対象の内容と思っていただければと思います。

目次

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

1つ目は、赤字の繰り越しについてです。

内容

赤字が出た事業年度で青色申告による確定申告をしていれば、その赤字を10年間繰り越すことができます。そしてその赤字を黒字が出た事業年度で、税金を計算する際に差し引くことができます。

要件(条件)

赤字が生じた事業年度に青色申告による確定申告をし、その後も確定申告をし続けている会社が対象です。
また、赤字が生じた事業年度に青色申告による確定申告をしていれば、その後、白色申告となってしまった場合でも、青色申告の際の赤字はこの制度の適用を受けることができます。

欠損金の繰戻しによる還付

2つ目は、税金の還付について説明します。

内容

青色申告による確定申告で赤字が生じた場合に、前期が黒字であれば、前期の黒字と相殺して、前期納税した法人税の還付を受けることができます。
「欠損金の繰越控除」は赤字→赤字の場合に適用し、
「欠損金の繰戻しによる還付」は黒字→赤字の場合に適用するイメージです。

要件(条件)

黒字の事業年度に青色申告をしており、赤字の事業年度でも青色申告により確定申告をすること。
赤字の生じた事業年度は、申告期限内に確定申告をすること。(申告期限を過ぎては適用できないということです。)
また、赤字の生じた事業年度の確定申告の際に、還付請求書という書類の提出が必要になります。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

3つ目はご存知の方も多い、30万円未満の備品等は一括で経費にできる制度です。

内容

30万円未満の備品等(資産)は一定の条件がありますが、事業のために使用していれば、一括で経費に計上することができます。

対象者

青色申告をしている従業員500人以下の中小企業が対象です。

適用対象資産

30万円未満の備品等が対象です。ただし、年間300万円分が限度となります。
利益がかなり出たとしても、この制度を使い放題できるわけではないということです。

手続き

会計ソフトに仕訳を入力する際に、勘定科目を「消耗品費」などの経費科目で処理をする必要があります。
また、申告書に明細を添付する必要があります。

中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却)

4つ目は特別償却です。
特別償却とは、通常の減価償却とは別枠で減価償却をすることができる制度です。
特別償却の制度は何種類かあるのですが、制度が細かく適用を受けられる会社も多くはないため、今回は一般的な中小企業で、もしかしたら使う機会のある「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」の概要等だけ簡単に解説します。

概要

青色申告書を提出する中小企業が、一定の機械及び装置を取得して特定の事業に使用した場合に特別償却(通常の減価償却とは別枠の減価償却)ができます。

償却限度額

追加で減価償却をすることができる金額は、取得価額×30%になります。

給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制)

5つ目は特別控除です。
特別控除は税金を直接減らす制度です。
特別控除にも色々と種類があるのですが、その中でも適用を受ける可能性の高い、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除(中小企業者等における賃上げ促進税制)を解説します。
この制度は、従業員のお給料を増やした場合に適用できる制度です。
ただ、この制度もかなり細かいため、今回は基本的な部分を解説します。
控除金額を増やすことができる上乗せの要件もあるのですが今回は割愛します。

概要

国税庁HPより抜粋

国内の従業員に対して支給する給料が、前事業年度より1.5%以上増加していたら、増加した部分の一定の給料×15%を法人税から控除できます。

適用要件(条件)

国内の従業員に対して支給する給料が、前事業年度より1.5%以上増加している必要があります。また、前事業年度に給料を支給していない場合、例えば今期初めて従業員を雇って給料を支払ったとしても、今期はこの制度の適用を受けることができません。

税額控除限度額(令和4年4月1日以後に開始する事業年度)

増加した部分の一定の給料×15%を法人税から控除できます。
ただし、この金額が、法人税額の20%を超える場合には、その法人税額の20%が限度となります。
法人税額が少ない(利益が少ない)とあまり控除できないということになります。

対象者

青色申告をする中小企業が対象です。

手続き

設立事業年度はこの制度の適用を受けることはできません。
この制度の適用を受けるためには、確定申告書に給料等を記載した明細を添付する必要があります。

まとめ

青色申告にはかなりのメリットがあるとご認識いただけたかと思います。

今回ご紹介した特典は、青色申告の適用を受けていない会社(白色申告)は適用することができません。

ほとんどの会社が青色申告の適用を受けているかと思いますが、もし適用を受けていないようでしたらこれを機会に、今後は青色申告の適用を受けることを検討されてはいかがでしょうか?

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髙野正義税理士事務所
神奈川県横浜市戸塚区南舞岡3-8-1-2
https://takanozeirishi.com
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