今回は所得税の仕組みについてざっくりと解説していきます。
概要
所得税は個人の所得に対して発生する税金です。
「所得金額」から「所得控除額」を差し引いた残額に所得税率を適用して税金計算をします。
所得金額の計算
所得は10種類に分けられており、それぞれの所得について、それぞれの計算方法があります。
具体的には次の10種類があります。
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 山林所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
所得の性質によって上記の区分がされます。
課税所得金額の計算
「所得金額」から「所得控除額」を差し引いて計算します。
所得控除額は15種類あります。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 寄附金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 基礎控除
個人の状況を考慮して、税金を計算することになります。
所得税額の計算
所得税額は、「課税所得金額」に所得税の税率を適用して計算します。
所得税の税率は、所得が多くなるにつれて段階的に高くなる仕組みになっています。
(超過累進税率と呼ばれています。)
上記図のように、195万円までの所得には所得税率5%が適用されますが、195万円~330万円部分には所得税率10%が適用されています。
段階的に所得税率が高くなっているのがわかりますね。
基準所得税額の計算
「所得税額」から「税額控除」を差し引いて、基準所得税額を計算します。
主な税額控除は下記になります。
- 配当控除
- 政党等寄付金特別控除
- 認定NPO法人等寄附金特別控除
- 公益社団法人等寄付金特別控除
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除は皆様ご存知の住宅ローン控除のことです。
住宅ローン控除は所得税額から直接差し引くことができますので、インパクトが大きいですね。
忘れずに適用したい規定です。
復興特別所得税額の計算
復興特別所得税額は、「基準所得税額」に2.1パーセントの税率を掛けて計算します。
所得税および復興特別所得税の申告納税額の計算
「基準所得税額」と「復興特別所得税額」の合計額が所得税の納税額となります。
*源泉徴収税額や予定納税額と呼ばれるものがある場合は、上記合計額から差し引いた金額が納税額になります。
まとめ
ざっくりにはなりますが、所得税の計算について解説いたしました。
詳細につきましては国税庁HPをご確認ください。
——————————————————————–
髙野正義税理士事務所
神奈川県横浜市戸塚区南舞岡3-8-1-2
https://takanozeirishi.com
小規模事業者専門の税理士
——————————————————————–